QUBO 問題
QUBO問題は,次の式 $f$ で定義されることが多いです.
\[f(X) = \sum_{i=0}^{n-1}\sum_{j=0}^{n-1}w_{i,j}\, x_i x_j\]ここで $X = (x_0, x_1, \ldots, x_{n-1})$ は $n$ 個の二値変数,$W = (w_{i,j})$($0 \leq i, j \leq n-1$)は係数を表す $n \times n$ の行列です. つまり,行列 $W$ によって QUBO 式が定義されます. このような形で QUBO 式が与えられた場合,QUBO++ では次のように簡単に式を構築し,解を探索できます.
#include <qbpp/easy_solver.hpp>
#include <qbpp/qbpp.hpp>
int main() {
int w[3][3] = {{1, -2, 1}, {-4, 3, 2}, {4, 2, -1}};
auto x = qbpp::var("x", 3);
auto f = qbpp::toExpr(0);
for (size_t i = 0; i < 3; ++i) {
for (size_t j = 0; j < 3; ++j) {
f += w[i][j] * x[i] * x[j];
}
}
f.simplify_as_binary();
std::cout << "f = " << f << std::endl;
auto solver = qbpp::EasySolver(f);
auto sol = solver.search({{"time_limit", 1}});
std::cout << "sol = " << sol << std::endl;
}
このプログラムは $n = 3$ の例です. $3 \times 3$ の int 配列 w を定義し,それをもとに式 f を構築しています. simplify_as_binary() で二値変数のルール($x_i^2 = x_i$)を適用して式を整理した後,EasySolver で解探索を行います. このプログラムを実行すると,次の出力が得られます.
f = x[0] +3*x[1] -x[2] -6*x[0]*x[1] +5*x[0]*x[2] +4*x[1]*x[2]
sol = -2:{{x[0],1},{x[1],1},{x[2],0}}
einsum を用いたより簡潔な書き方
上の二重 for ループは数式定義をそのまま書き下したものですが,同じ式は qbpp::einsum の 1 行で書くこともできます.
#include <qbpp/easy_solver.hpp>
#include <qbpp/qbpp.hpp>
int main() {
auto W = qbpp::array({{1, -2, 1}, {-4, 3, 2}, {4, 2, -1}});
auto x = qbpp::var("x", 3);
auto f = qbpp::einsum<0>("ij,i,j->", W, x, x);
f.simplify_as_binary();
std::cout << "f = " << f << std::endl;
auto solver = qbpp::EasySolver(f);
auto sol = solver.search({{"time_limit", 1}});
std::cout << "sol = " << sol << std::endl;
}
ここでは qbpp::array(...) で $3 \times 3$ の整数配列 W(行列 $W = (w_{i,j})$ に対応)を作り,qbpp::var("x", 3) で二値変数ベクトル $X = (x_0, x_1, x_2)$ を作成しています.
subscript "ij,i,j->" は数式 $\sum_{i,j} W_{ij}\, x_i\, x_j$ をそのまま 表しています.
- 第 1 入力
Wはラベルij(行列の行と列). - 第 2 入力
xはラベルi(Wの行と対応). - 第 3 入力
xはラベルj(Wの列と対応). - 右辺が空なので
iとjは両方とも縮約(総和)され,結果はスカラーExprになります.これがqbpp::einsum<0>のOutDim = 0に対応します.
得られる式 f,整理後の形,解はいずれも for ループ版とまったく同じです. $n$ が大きい場合,einsum 版は内部で複数の CPU スレッドを用いて 並列に式を構築するため高速です.